
AIと対話しながら仕事をしていると、ときどき「これは何を作っているのか」という問いに立ち返ることがあります。 プロダクトを作っているのか。コードを書いているのか。それとも、仕様を磨いているのか。 最近、「just in time software(JITソフトウェア)」という概念に出会い、 その問いに対する一つの答えを見つけた気がしています。
💡 コードは目的ではなく、排気ガスである
JITソフトウェアの核心はシンプルです。 「コードは事前に書くものではなく、必要な瞬間にAIが生成して実行し、捨てるものだ」という考え方です。
従来のソフトウェア開発では、コードは成果物でした。 設計し、実装し、テストし、デプロイする。そのプロセス自体に価値があるとされてきました。 しかしJITソフトウェアは言います。「本体は仕様であり、コードはその副産物(排気ガス)に過ぎない」と。
エンジンの価値はガスを出すことではなく、走ることにある――そういう話です。
🧠 なぜこの思想がTrstと重なるのか
Trstを設計するとき、私たちが問い続けてきたのは「どう自動化するか」ではなく、 「企業ごとの文脈を正しく理解した上で、何をすべきかをAIが判断できるか」という問いでした。
アウトリーチの文面も、マッチングの判断も、調査の優先順位も、 固定ロジックで動かすことが目的ではありません。 その企業の製品・強み・市場・リスクという「仕様」を正しく持ち、 それに対して最適な実行ロジックをその都度組み立てることが目標です。
これはまさに、JITソフトウェアが描く「仕様が本体、コードは生成物」という構造と一致しています。
🏗 AI実行OSとしてのTrstが目指す地平
JITソフトウェアの議論で印象的だったのは、 「新しい業界・製品・国に対してコードを書き換えずに対応できる」という特性です。
Trstが本当に価値を発揮できるのも、同じ場所だと考えています。 医療機器メーカーが東南アジアに展開しようとするとき、 電子部品メーカーが欧州に代理店を探すとき、 それぞれに必要な判断ロジックは異なります。
固定のSaaSツールではなく、企業の文脈を理解して毎回最適な実行を組み立てる―― その方向性を「AI実行OS」と呼んでいます。 JITソフトウェアという思想は、この方向性の正しさを改めて教えてくれました。
🔭 思想から実装へ
もちろん、これはまだ道半ばの話です。 JITソフトウェアには品質保証やセキュリティという現実的な課題もあります。 「毎回異なるロジックが生成される」ことと「信頼できる実務の代行」を両立させることは、 簡単ではありません。
それでも、コードを書くことを目的にしない、という出発点は正しいと思っています。 仕様を磨くこと、文脈を理解すること、そこから実行を組み立てること。 KiAIはその方向に向かって、一歩ずつ進んでいます。
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